本日は、平成25年(2013年)12月30日月曜日
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント 中小企業診断士の立石です】

今年も明日の大晦日のみとなってしまいました。既に冬休みでご自宅にてごゆっくりされている方が、ほとんどでしょうか?とても羨ましいです。休日のテーマは「バラエティ」です。前回に引き続き、私が新卒で入社した株式会社キーエンスの話題です。私の頭の中の記憶を綴ります。もう四半世紀以上過ぎたので、ボンヤリした内容かもしれませんが。最近は何事につけ日記を書いておけばよかったと後悔する日々です(笑)

円高不況の傷がいえない1987年(昭和62年)4月。私は株式会社キーエンスに新卒入社しました。就職活動していた前年10月にリード電機からキーエンスに社名変更。いわばキーエンスとして新卒入社第1期生です。たしか45名の入社だったと記憶しています。当時の円高不況のせいもあってか、応募者1600名超で競争率約35倍と説明をうけた記憶があります。

入社した印象として、とにかく若い会社という印象が強かったです。当時、創業者の社長が42歳、役員が35歳前後、20歳台の社員が多く、最年少営業所長が27歳。学生時代に、大手電機会社の製造ラインでアルバイトしたこともあったのですが、当時のキーエンスにはシニアの社員が存在せず、この若さはある意味新鮮でした。

入社日初日、大学卒業時交付される「成績証明書」の提出は、不要だとの連絡がありました。本当に実力主義の会社だと知ります。社内では、全員が「さん」づけで呼び合います。創業者に対しても「社長」ではなく「滝崎さん」と呼びます。総務人事の担当者から、中途採用で入社した社員が多く、年長者をうっかり「君」で呼ぶと問題があったりするので、社内では一律「さん」と呼び合うのが合理的だと説明がありました。
風通しがいいという面とともに、本当の狙いは年功序列を廃して「実力制人事」を円滑にすすめる為の方策であることは、新入社員にでも理解できたところです。
「年上の部下や年下の上司」が出現しても、日頃から「さん」と呼び合っていれば問題はないからです。
また、当時社員数が300名程度の規模で45名の新卒採用は、大量採用と位置づけられるかもしれません。従来は中途採用を中心に増員をはかっていたようです。本格的な新卒採用は4年目で、前年の第3期生から数十名という大枠の採用を始めたとか・・・。

ここからは、当時を振り返っての考察になるのですが、この新卒者の大量採用は、キーエンスがさらなる成長を賭けた時期とリンクしていると思われます。当時3つの事業部があり、ひとつは、創業以来さしたる競合が無く成長を支えたオリジナルの製品群。残り2つの事業部が、先行する大手企業と競合する製品群を取り扱います。キーエンスはその秋に株式上場を控え、大手の競合会社は、もはやキーエンスの成長と動向を看過できず、本格的な対抗策を打ってくるであろうと、当時の経営陣の誰もが簡単に想定できたはずです。キーエンスにとって安定というのは、もはや保証されないのです。「打って出る」競争を選択しなければ、座して死を待つことを意味します。大手競合会社と正面切っての戦いが始まり、勝つか敗れるかの道しかなく、創業者は当時、相当のプレッシャーがあったと思います。そして我々、新卒入社・営業配属の大半が、ライパル会社との受注競争の最前線に投入されるわけであります。次回はキーエンス本社での新人研修の思い出の記憶をたどりましょうかね…
『元キーエンス社員の回想、通算100回』にして、学生さんむけ、社会人むけ、そして経営トップ・事業責任者むけの記事をまとめてみました(コチラをクリックしてください)。