本日は、平成26年(2014年)1月1日水曜日(元旦)
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント 中小企業診断士の立石です】

あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます
ただいまは冬休みのため、休日のテーマは「バラエティ」です。昨年末から継続して書いております、私が新卒で入社した株式会社キーエンスの話題です。当時のキーエンスは、中小企業から大企業へ飛躍する頃でありました。現代の中小企業経営者に参考になることも多いと思います。私の頭の中の記憶を綴りますが、もう四半世紀以上過ぎたので、ボンヤリした内容かもしれません。最近は何事につけ日記を書いておけばよかったと後悔する日々です(笑)

1987年(昭和62年)4月。私は株式会社キーエンスに新卒入社しました。
4月一杯は、当時高槻市にあった本社で集合研修です。前半2週間は、ビジネスマナーや各事業部の責任者とのミーティング・質疑応答等、おそらく一般的な会社と同様の教育メニューがあったと記憶しています。その中で特筆すべきは、創業者の講話を聴く機会が多かったことです。その際に話される内容は、ビジョンがあったり仕組みがあったりもしましたが、特に経営理念(複数の項目があり、実際は経営目標らしきものも含まれていた)や行動指針については、詳しく何度も説明がありました。明文化されたそれらの内容を覚えることも求められました。
特に行動指針の3項目は、総計100文字たらずでありましたが、正確に暗記しなければなりません。ほどなく記述のテストがありました(新入社員全員が、一字一句も間違えず全員正確に記述できたと発表がありました。いま思えば、40名を超える人数で全くミスが無いのは、全員がすごい熱意だったと思います。もちろん、創業者は相当満足されていたのだと思います)。
このキーエンスの行動指針は、退職後ライバル企業に転職して、その後経営コンサルタントとして独立した四半世たった現在でも、覚えていることに我ながら驚きます。当時は、小学生が掛け算の九九を繰り返して暗唱したのと同じような熱心さがあったはずです。同期入社で退職した方のほとんどは、いまでも忘れずに言葉にだせるはずです。

創業者で当時社長の滝崎武光氏は、就職活動中の会社説明会最終面接と同じく、入社後もどちらかというと物静かな紳士という印象を受けました。しかし、その場で実際に話しを聞いてみると、理路整然とした話し方の中にも「会社は、こうありたい」と言う強い願望は、見事に伝わってきます。そして、講話の後は新入社員全員に必ず「質問」を促します。どんな質問でも真摯に受け止め、身近な具体的事例を用いて説得する。理詰めの回答の為、その場に居合わせれば誰もが納得します。講話の際に、胸ポケットから小さなメモ帳を出して、巡に話される場合もありました。やるべきことや、いろいろなアイデアも記載されていたはずです。以上、簡単なようですが、日々経営のことを常に考えていなければできることではありません。現代の中小企業経営者も見習うべき内容だと思います。現在の中小企業経営者が、当時のキーエンスの創業者と同じく、「経営に対する強い想い」をもって経営に臨むことは絶対できるはずです。次回もキーエンス本社での新人研修の思い出の記憶をたどりましょうかね…

『元キーエンス社員の回想、通算100回』にして、学生さんむけ、社会人むけ、そして経営トップ・事業責任者むけの記事をまとめてみました(コチラをクリックしてください)。
追記:関連ブログのご紹介
キーエンスに新卒入社して真っ先に教えられること』をシリーズで綴っております
↓その第1回
[228]①【ありのままに話す】・【優先順位】は、>>>コチラをクリックしてください。