本日は、平成26年(2014年)4月6日日曜日
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント 中小企業診断士の立石です】

土日・祝日のテーマは「バラエティ」です。昨日に引き続き、私が新卒で入社した株式会社キーエンスの話題です。当時のキーエンスは中小企業から大企業へ飛躍する頃でありました。現代の中小企業経営者に参考になることも多いと思います。私の頭の中の記憶を綴りますが、もう四半世紀以上過ぎたので、ボンヤリした内容かもしれません。最近は何事につけ日記を書いておけばよかったと後悔する日々です(笑)

私は、キーエンス退職後にライバル会社に転職しました(退職後のプロフィールはコチラ)。複数のライバル会社の中で、キーエンスが最強であったのは間違いありません。
転職してから、キーエンスに勝利するために、それまでは全く意識してこなかったことを考察したことがあります。それは「キーエンスの経営戦略は?」という命題です。実は、この問いに正確に答えられる方は、今現在もほとんどいないと思います。理由は、キーエンス在職中に創業者から語られたことが一度もなかったからです。
当ブログの記事を書くにあたり、毎回、頭の中の記憶のみを綴っているのですが、キーエンスの創業者の講話の内容については、ほぼ正確だと思います。記録や日記もないのに再現できる理由ですが、それは「私が人より記憶力がいいからです」・・・(失笑)・・・(一度は言ってみたかっただけで、みなさまの予想通り、決してそうではありません)。実は、集合研修等で創業者の講話を伺う際、都度、座席位置が固定(指定)されていて、私の席が一番前列かつ創業者の真正面付近であった・・・それだけの理由です。顔を上げれば、立って話される創業者と目があう「特等席」で居眠りもできません。また間近でお話しが聞けるとあって眠くもなりません。話される内容は確実に頭に入ります。また講話を伺う際は、真摯に対応頂いた最終面接当時のようなイメージでとても気分がよかったので、すべてが記憶に残ったのかもしれません。
入社以来、創業者からは経営理念(目標)や行動指針などを繰り返し説明されましたが、「キーエンスの経営戦略」を伺った記憶は、正直言って一度もないのです。
なお、よく第三者の方がキーエンスの経営戦略は、これだと定義されているものについては、ほとんど勘違いされていると思います。
◆高い利益を追求する。付加価値の高い商品を市場投入し続ける →経営目標です
◆以前綴った「特注・改造には一切対応しない」、無借金経営 →経営方針です
◆「機器無料貸し出し」、「直販営業」、「即納」 →これらはすべて戦略でなく(販売の)戦術です。
◆勉強会等で営業担当者のスキルを上げる→戦術の強化です
転職してから、キーエンスの経営戦略を考察しましたが、ほどなくキーエンスの経営戦略がベールに包まれているのも当然だと理解できました。一般的な会社では、経営戦略を公開している会社もあるようですが、実のところ、経営戦略を公開することは、とても非合理的なのです。理由は、ライバル会社が対抗措置をとるからです。創業者はそれを意識して語らなかったとするのが、一番妥当だと思います。
そのことに気がついて、キーエンスの経営戦略の検討はいったん終了し、その後、私が追求したのは複数のライバル会社、特に対キーエンスに勝利するために応用できる「BtoB(企業-企業間取引)分野での競争戦略」です。当時は、マーケティングの理論にしてもBtoC(企業-最終消費者取引)の分野が一般的で、BtoB(企業-企業間取引)の情報が少なく、とても苦労した記憶があります。結局、実戦経験でノウハウを蓄積するしか方法がなかったのであります。
競争戦略の研究が、後に経営コンサルタント(のちに中小企業診断士としても登録)の道に進むきっかけになるとは、当時予想もしておりませんでした。
現在、中小企業・大企業を問わず「BtoB(企業-企業間取引)の分野で、ライバル会社との競争に勝つための普遍的な戦略」が確立できたのも、対キーエンスとの実戦で培われた内容が、その幹のひとつになっていることは確実です。その研究の集大成として、書籍を執筆いたしました(書籍の情報は、コチラをクリックしてください)。

『元キーエンス社員の回想、通算100回』にして、学生さんむけ、社会人むけ、そして経営トップ・事業責任者むけの記事をまとめてみました(コチラをクリックしてください)。

 

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