本日は、平成26年(2014年)10月26日日曜日
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント 中小企業診断士の立石です】
今回は、中小企業診断士試験の話題です。今回もすべて私見・個人的感想です。中小企業診断士試験の話題は、バラエティ分野として土日祝日の記述(不定期)しております。

本日、平成26年度中小企業診断士試験・第2次試験実施日です。ただいまの時間が、最後の受験科目となる事例4(財務・会計)が開始された頃ですね。今年受験される方への雑音とならぬよう、あえてこの時間までブログを綴るのを控えておりました。

まず、過去のデータを記載いたします。 下記は、中小企業診断士の試験を実施する、社団法人 中小企業診断協会のホームページで発表されている「第2次試験の筆記試験の結果」であります。口述試験を受験する資格を得た方は、いわゆる筆記試験合格者ですね。
年度_筆記試験の受験者_口述試験を受験する資格を得た方_比率
平成19年度_4060_800_20.3%
平成20年度_4412_877_19.9%
平成21年度_5331_955_17.9%
平成22年度_4736_927_19.6% (私が不合格となった年)
平成23年度_4003_794_19.8% (私が合格した年)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
平成24年度_4878_1220_25.0%
平成25年度_4907_915_18.6%
平成26年度     ?

本日は第2次試験についての言いたい放題です(もちろん、個人的な私見であります)。
中小企業診断士試験の難易度に関して、よく質問されることがあります。
それは「中小企業診断士試験は、難関大学の受験より難しくて学習が大変なのか?
もういちど繰り返しますが、今回の記述は私の私見です。「学習については、もちろん努力が必要であります。確かに難易度が高いとされていますが、難関大学の受験合格を目指すような努力は必要ありません。正確には、第2次試験が血のにじむ努力が通用しない試験でもある」ということです。
まずは第1次試験。
第1次試験は間違いなく、知識の詰め込みが必要だと思います。努力でなんとかなる試験です。私の知る限り、7科目受験一発合格者は、大学出身とりわけ難関大学出身者(いわゆる偏差値の高い方)が多いのは事実です。これはマークシート方式の受験についての要領と対応法、受験慣れというものを経験・体得されているからだとも思います。また、学力偏差値の高い方は受験突破の素養である「記憶力」「集中力」「忍耐力」のいずれか、あるいは複数が確実に優れている為、試験一般に本来の強みがあるのは確かです。
 第2次試験。こちらは異なります。
摩訶不思議なことなのですが、学力偏差値の高いとされる方が、何故か第2次試験が不合格になる場合があるようで、不本意ながら、周囲の方の現実をこの目で見てきています。しかも3年(3回)以上連続して第2次試験不合格という方が相当数いらっしゃるようです。その事実から「2浪」して学習を重ねれば、志望校にほとんど合格できるとされる大学受験とは異なり、中小企業診断士試験が難関大学の受験合格より難しいと流布される所以だと思われます。
しかしながら、どう考えても中小企業診断士試験の第2次試験が、難関大学の入学試験より難しいはずがありません。すんなり合格できないのは、大学受験のような知識の詰め込みでは対処できない出題がされていると判断していいはずです。もちろん基本的な学習は必要ですが、知識を詰め込む努力が全く通じないのかもしれません。また、受験資格が学歴不問となっている以上、合格者が学力偏差値の高い方に集中することを回避する、独特の試験内容と考えてもいいはずです。
助言」の記述、コンサルタントでも通用しない。
私は平成23年度に第2次筆記試験を通過し、その後の口述試験を経て合格となりました。実は、前年の平成22年度は筆記不合格でした。不合格者には成績通知が郵送されます(実際の成績通知はコチラをクリックしてください)。受験4科目順にAACAの結果。
当時、結果には相当な不満がありました。事例3が「C評価」??? 事例3は例年、製造業がテーマです。他の事例ならともかく、製造業のコンサルタントで10年以上経験ある私(プロフィールはコチラ)が「C評価」?! 2次試験の解答は公開されません。もちろん個別の抗議などできません。受験した事例3の回答内容には相当の自信があったので、不合格の現実について、何だかキツネにつままれたような印象でした。
不合格になった年は、ある受験指導の予備校に通学していたのですが、受験2年目は仕事の都合で、平日夜しか通学の時間がとれなくなった為、クラスのみを変えました。そのクラスの担当講師が、解答が公開されないこの第2次試験について、実際に受験された生徒さんより再現答案を収集され独自の研究をされていました。収集される再現答案の量自体がハンパではなく、その母数たるや相当なものです。数人程度の受験生からのヒアリングで合格を語るようないい加減なものではありません。
さらに特筆すべきは、受験生の提出する再現答案の精度の高さです。その秘訣は、厳格ともいえる再現答案提出の締切日設定です。合格発表前に受験指導の予備校が開催する解説会よりも前に、締切日を設定されます。人は時間とともに記憶があいまいになります。受験直後に提出されるほうが、再現性が高いのは当然です。そして、解答が公開されない試験でよくありがちな、合格発表後の合格者の言いたい放題(これは、尾ひれがついて、試験当日どこまでを解答記述していたのか、ほとんど信用できない)を防ぎ、信憑性が高いものとなります。この講師の方は「合格者の解答内容と合格の水準」を徹底的に研究され、普遍的ともいえる対応法をあみだされていたのでした。
私は、平成23年受験において、再現答案を受験翌日に講師に提出しました(いまなお、その記録があります)。合格発表前に、講師の独自研究による採点での結果通知を頂きました。過去の経験上80%の確率で合格であろうとの、ありがたい通知も受けて、実際に合格に至りました。 そして、講師より指導を受けた手法を使えば、受験一年目に学習・研究した過去の第2次試験問題(平成19年度~平成22年度)も容易に対応できます。それまで悩んでいたことがウソのようでした。また、平成22年度事例3で、私が不合格になった理由にも納得できました。正直言ってコンサルタントとしての立場や発想では、ありえない解答となりますが、合格答案の本質を知りました。受験当時、講師の手法を体得していれば合格の可能性が高かったのだろうと後悔した次第です。まさに「受験生誰もが納得できるであろう、ロジカルな解答法」です。正解が公表されなくても、おおよその合格レベルが予想できるようにもなったと思います。
ところが、翌年の平成24年度に流れが変わります。同じ講師のクラスを選択した勉強仲間があいついで不合格。いままでの手法が通用しなくなったのかもしれません。昨年の平成25年度もそうです。こうなると試験機関からの「正答の公表」を、ただ願うばかりです。解答が公表されない理由のひとつとして、不合格者からの個別の問い合わせに対応できない(論述なら事実上無理)ことも理解できます。これに対しては、公正に採点しているということで、全受験生等しく受け付けないルールで運用できると思います。 ただ、解答を公開しない、正確には公開できない真の理由が別にあると思います。試験内容が、法学や経済学等の分野でない以上は回避できないことです。その理由は、おそらく核心をついていると思いますが今回記述は見合わせます追記:私見ですが、筆記試験についての本質と対処法を、↓下記動画にしています/視聴のお時間:4分程度です)。ご参考までに
「いいたい放題の追記」平成24年度の筆記試験合格者1220名と過去最多。この1000名を超える合格者数は、試験機関が当初想定していなかった結果だと思います(翌年の合格者は例年並みに減少しています)。仮に合格基準点を1点上げてみると、筆記試験の合格者数が例年になく少ないものになったと容易に予想できます。つまり、同得点の受験生が集中していたということですね・・・これも平成24年度の試験問題の特性を知るヒントにもなりそうです。
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