本日は、平成27年(2015年)2月15日日曜日
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント 中小企業診断士の立石です】

土日・祝日のテーマは「バラエティ」です。先週に引き続き、私が新卒で入社した株式会社キーエンスの話題です。当時のキーエンスは中小企業から大企業へ飛躍する頃でありました。現代の中小企業経営者に参考になることも多いと思います。私の頭の中の記憶を綴りますが、もう四半世紀以上過ぎたので、ボンヤリした内容かもしれません。キーエンスを退職して、当時のライバル会社に転職した後も含めて、最近は何事につけ日記を書いておけばよかったと後悔する日々です(笑)

前回、キーエンスはもちろん、企業規模を問わず業績のいい会社の共通点を記しました。
すなわち3つの仕組みが備わっていると。
[1]売れる仕組み(ルール)がある。
[2]成果を出した、努力した社員にきちんと報いる仕組みがある。
[3]モラル(道徳)、モラール(士気)、パフォーマンス(成果)のそれぞれが低い社員を放置しない仕組みがある。
本日は、[2]と[3]について綴ります。
ほとんどの企業で、[2]は実践されていると思います。例えば賞与等々で優遇する等々。ただ[3]はいかがでしょうか?大半の企業は、そのまま放置のまま・・・ではないでしょうか?
よく耳にされると方も多いと思いますが、「2割の法則」をご存じでしょうか?不思議なことに、組織のメンバー「一群」の中では、何故か?自然法則のように、
2割が高いパフォーマンス(超優秀)
2割が低いパフォーマンス
残り6割が、可もなく不可もなく(普通)に分かれるということです。
思い当たる方も多いと思いますが、会社組織も同様です。不思議なことに、このランクは学歴や偏差値、語学力、体力とは一切関係なく出現します。
大多数の企業が、パフォーマンスが低い2割の社員を放置している理由は、一応会社組織が回るからです。つまり、超優秀な2割のメンバーの働きで、マイナス分は十分カバーできることから、あえて問題にすることは無いという考え方だと思います。
また、社内で波風立てるのも大人げないと考えるのが、日本企業の慣例かもしれません。

当時キーエンスのライバルであったアンリツ勤務時代、私は、日経新聞といっても、日経「産業」新聞を購読していました。たまにキーエンスの記事があって注目していました。
その日経産業新聞1998年(平成10年)4月24日(金)の経営欄から引用いたします。
創業者の滝崎武光氏が自社の営業マンの仕事ぶりを語っています。
・「普通の会社だと一生懸命やる人はせいぜい一割でしょう。うちでは六-七割が自発的に一生懸命。そうするとあとの三割はついていくしかない
記事の続きで、
ではなぜキーエンスの営業マンは自発的に猛烈営業に走るのかとあり、
そのノウハウに関する元社員とされる方の証言が記載されています。
抜粋引用しますが
・期末のボーナスは最高2倍以上の差がつく、軍隊風の社風を恐れをなして辞めていく社員も多い。
・個人の目標未達のせいで全体が未達になったら、とてもじゃないが組織にいられない。
・毎日、全社順位を発表する。
・利益に結びつかない行動は徹底排除。仕事中は私語禁止。
いま現在が同じ状況かは不明です。
ただ、記事より10年前である私のキーエンス勤務時代は、ほぼその通りだったのかな?という記憶があります。但し、勤務していた当時は、自ら辞める方がいても指名解雇やリストラは、なかったと思います。

強い営業マンが揃うからこそ、高い報酬を可能としたり、ズバ抜けた営業利益率という経営成績を残せるのだと考えられるかもしれません。
企業経営者のほとんどの方は、自社の営業部門がこうあってほしいと願うはずです。
そこで、申し上げたいことがあります。
キーエンスと販売競争にある会社の方はもちろん、他業界でも、激しい受注競争に日々直面している会社の方は、とかく営業部門を強化することを課題とされます。
しかしながら、BtoB(企業間取引)・製造業・訪問型営業の企業が、受注競争に勝利するには、私個人としては営業部門の強化は後回しでいいと考えています。

受注競争の場面で、キーエンスの勝率は、自身の経験上高いものだと思います。
その競争場面での強さの秘密は、営業力はもちろんですが、全社的な販売力が強いのだと考えています。
意外なことに聞こえるかもしれませんが、BtoB(企業間取引)・製造業・訪問型営業の企業では、選手(営業担当者)個人の能力よりチームプレイの出来如何で、受注競争の勝敗を決します。
つまり営業部門だけでなく、営業以外の部門の仕事の取組み方や、連携も重要になります。

「キーエンスチーム」の各選手は試合で戦う際、試合中にやるべきことなどは、徹底的に叩き込まれています。簡単なマニュアルといった低いレベルでなく、あらゆる連携・フォーメーションを熟知して出場してきます。
もちろん、人間ですからミスがあるかもしれませんが、ボールが回ってくることを拒んだり、練習無しで試合に参加してみたり、ましてや、試合のルール自体を知らないような選手はまず存在しません。

チーム同士での勝負は、サッカーやラグビーと同じくフォワード(前線の営業担当者や技術担当者)に、スーパースターがいても、チーム内で選手レベルにバラツキ(極端にレベルの低い選手がいる)があれば、勝負にならない、負けは確実と誰もが理解できるはずです。
ましてや、かつてロスタイムといわれた延長時間である「アディショナルタイム」(ラグビーではインジャリータイム)に突入して、いよいよ勝敗が決まるという肝心な場面。世間一般の企業では、とんでもないアクシデントもあります。
延長時間に振り返ると、自チームのバックスの選手が誰ひとりフィールドにいない。「バックスの選手は、一体どこに行った?」と聞けば、「バックスは定時退社で全員帰りました。延長には参加しません」というチームでは、試合に勝つのは困難ですね(絶望的かもしれません)。まず、チーム全体の底上げが重要なのです。

パーテーションの無いフロア
今回引用いたしました、日経産業新聞の記事は、キーエンスの営業部門について書かれていましたが、営業部門以外の社員も同じ働きぶりだと思います。
入社後の新人研修当時が浮かんできました。私が最終面接を受け、そして初出社した、ひとつ前の本社ビル。その施工に際して、創業者より「各フロアにパーテーション(仕切り・区切りの類)は一切無しとした」と聞かされました。各自の働きぶりが、ひと目でわかる(怠惰な社員は存在させない仕組みのひとつ)と説明があったことを思いだしました。

『元キーエンス社員の回想、通算100回』にして、学生さんむけ、社会人むけ、そして経営トップ・事業責任者むけの記事をまとめてみました(コチラをクリックしてください)。

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