本日は、平成27年(2015年)5月31日日曜日
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント 中小企業診断士の立石です】

土日・祝日のテーマは「バラエティ」です。先週に引き続き、私が新卒で入社した株式会社キーエンスの話題です。当時のキーエンスは中小企業から大企業へ飛躍する頃でありました。現代の中小企業経営者に参考になることも多いと思います。私の頭の中の記憶を綴りますが、もう四半世紀以上過ぎたので、ボンヤリした内容かもしれません。キーエンスを退職して、当時のライバル会社に転職した後も含めて、最近は何事につけ日記を書いておけばよかったと後悔する日々です(笑)

繰返しになりますが(記事はコチラをクリック)、BtoB(企業間取引)・訪問型営業のビジネス分野で、近い将来、二歩先を行くキーエンス級の強いライバル会社が、次々に出現すると予想いたしました。そんな強い会社を相手にして競争となった場合、すぐに横並びできることなど無理な話しで、短期間で圧倒されてしまう危険性があります。そのため、平時のいまから「一歩前進して備える」ことをオススメしているわけです。もちろん、一歩進めることができれば、それは同業の会社に対して一歩差をつけることを意味します。すなわち、競争力が確実にアップするのです。

私がキーエンスに勤務していた当時、【外出報告書】というフォーマット用紙がありました。世間一般でいうところの「営業日報」の類に相当すると思います(いまでは、略されて『ガイホウ』とも呼ばれているらしいですが・・・)。当時、顧客訪問で外出する際は、事前に【外出報告書】に訪問先等を記入後、上司に対面での報告を実施、承認をうける手続きが必要でした。顧客訪問での外出は、朝一番より終日訪問というルールがありましたので、外出前日の残業時間にミーティングを実施いたします。さらに、顧客訪問を終えてから、帰社後にも記入する項目があり、完成させた後に上司に報告する手続きが必要でした。

当時のキーエンスの営業部門では、顧客訪問前と訪問後に必ず上司との面談にて助言・指導がなされました。それらを省略して、顧客に訪問できることなど絶対にありえませんでした。
こういった外出報告書を利用した面談指導で、キーエンスには世間一般の会社より「二歩」先を行く強みがあったのだと思います。最も効果があったのはズバリ、新人営業担当者の育成だと思います。

新人営業担当者の育成
訪問前の上司・先輩との面談で、訪問予定の各お客さま宛てに「いかにプレゼンするか」「想定される質疑」等のアドバイスがされます。ライバル企業との受注競争の場面でも同様です。訪問前の上司・先輩との面談は、都度ロールプレイングを実施しているようなものです。新卒入社の私は、本当に素晴らしい上司と先輩に恵まれました。現況についての口頭報告と訪問先を見て、上司・先輩からは瞬時に、予想されるお客さまのお考え、ライバル会社との受注競争に勝つ手法について、的確なアドバイスがなされます。「▽▽は忘れずにPRするように」「当日、△△の情報は必ず頂けるように努力する、トライする」「この場合は、このようにする」「万一、うまくいかなかったら、別のこの方法」「さらに、それもダメなら・・・」と、あらゆるパターンを叩きこまれるのでした(メモ書きが追い付かないこともあり)。時には「指示された複数のパターンを、手のひらにマジックで書いて」お客さまに訪問したこともあります。結果、訪問当日の商談が前日の面談時のアドバイス通りに進む場合が多く、新卒入社で営業経験の無い私にとっては、驚きとともに自信というものが、確実についていくのでありました。

また、訪問後の報告で今後どうアクションすべきかの助言がなされます。
営業担当地区を任されて、個人の売上(成果)予算目標を担った直後は、この外出報告の面談時間は相当長かったと思います。1年目は、その指導についてツライ思い出もありましたが、2年目からは押さえておくべくことも身につきます。そして、営業成績が急伸していき、キツイながらも直販営業という業務が楽しくなっていったのであります。これもすべて、右も左もわからなかった新卒の私に、厳しいながらも根気よくご指導頂いた上司と先輩のおかげだと思います。

外出報告書というツールを用いて、営業担当者を面談(対面)にて教育する・・・これは世間一般より二歩進んでいるキーエンスの営業部門のルールであり、強みでもありましょう。
一方、みなさまの会社ではいかがでしょうか? 二歩遅れた会社では、「外出は営業担当者個人任せ」というケースも多いのではないでしょうか?日報も市販のノートに訪問先を記載し上司に提出して完了・・・こういった簡易的ともいえる事後報告のスタンスでは、営業部門に配属された新人担当者が、自身で解決できない問題を抱え込む場面が確実に増えていきます。
そういった問題を解消すべく「情報共有が必要である」との考えと、あわせて業務の効率化という名の下、PC等を利用したいわゆるデジタル日報を導入されることもあると思います。一例として、営業担当者が顧客訪問状況を文書入力⇒(対して)上司からメール等のタイムリーなアドバイスを実施して、対面指導を省略するという手法・・・そんな方法もあると思いますが・・・ここで、あえて個人的予想を述べます。
IT化のトレンドに逆行するようですが、キーエンスでは現在も、訪問前後の対面指導は継続していると予想いたします。いまの時代に社内で顔を合わせての対面指導とは非効率なようですが、「高い利益を獲得するための効率化」という手法については、普遍的なことがあります。それをしっかり理解されていれば、今回の私の個人的予想について、同意・納得されるものだと思います。なお、それに気付くまで私自身は相当な時間を要してしまいましたが、普遍的内容といっても、経営者のみなさまはとっては簡単に理解でき、即時実践できることであります。拙著では、「真の効率化という視点」で、営業部門の日報と営業担当者育成についても綴っております(詳細はコチラをクリック)。

今回も繰返し申し上げます。
「ある日突然、キーエンス級の強い会社がライバルになった時、対処できますか?」

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