本日は、平成28年(2016年)2月14日日曜日
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント 中小企業診断士の立石です】私が新卒で入社した株式会社キーエンス関連の話題です。
当時のキーエンスは中小企業から大企業へ飛躍する頃でありました。
現代の中小企業経営者に参考になることも多いと思います。私の頭の中の記憶を綴りますが、
もう四半世紀以上過ぎたので、ボンヤリした内容かもしれません。キーエンスを退職して、当時のライバル会社に転職した後も含めて、最近は何事につけ日記を書いておけばよかったと後悔する日々です(笑)

前回のブログ(コチラをクリックしてください)で綴りましたが、【新規開拓の能力】で80点の営業担当者は、一般の方がマネできないスキルを持っています。これは「学歴」「偏差値」「学力」「体力」「語学力」とは、おそらく相関が無く、入社後に開花する(正確には、短期間の採用試験では判断できない)ものです。もちろんキーエンスでも、そういった方が現れるのは、自身が目撃しています。
キーエンスの総得点は700点(全員が70点)。皆様の会社の総得点が600点(80点が2割、60点が6割、40点が2割)と仮定します。仮に、キーエンスと同一の商品で10件の新規の見込顧客を巡って、各営業担当者同士が受注競争となれば、理論上8勝2敗でキーエンスの圧勝です。また、キーエンスに80点以上の営業担当者がいれば、さらに勝率を高めることになります。ところが、キーエンスでは、69点以下の営業担当者と同じく、一般の方がマネできないスキルを持つ80点の営業担当者というものを、求めてはいないはずです。

標準化に徹し全体のレベルを上げる、「その人しかできない」を回避

キーエンスに勤務していた頃に、しばしば「業務の標準化」という言葉が聞こえてきました。当時は退職者も多かったので『誰かが退職しても、組織が回るようにしておかねばならない』。その意味で、標準化は急務の経営課題だったかもしれません。私が配属された営業所は、凄腕の先輩ばかりでした(中途採用)。ただ、腕はいいのですが、残念ながらキーエンスが求める標準化のスタイルからは、正直異端とされた方もいらっしゃいました。
機器を貸し出した後に受注する(受注する前に機器を貸し出す)というルール
よく知られているキーエンスの販売戦術のひとつに、引合先のお客さまに、無料で機器を貸し出す手法があります。私が担当していた高額な計測機器の場合、導入効果をご理解いただくために、必須ともいえる手順でもありました。受注までの商談には、その機器を貸した後に受注する場合と、貸し出し無し(いわゆるカタログ販売)で受注する2つのパターンが存在します。
勤務していた当時は、たくさんのお客さまに機器を貸し出した営業担当者のほうが、評価が高かったのです。ところが、営業担当者の一部には「貸し出し」を実施せずに受注できる、高いレベルの方がいます。ところが、その営業担当者には高い評価どころか「貸し出し件数が少ない」との厳しい指導がありました。
その80点レベルの方は、「貸し出さずに売るほうが、余計な経費がかからず、会社としては利益が上がるはずだ」と主張されます。一見正しいのですが、即時却下されます。おそらく、他の営業担当者がマネできない高いレベルの追求より「貸し出しを実施をすれば受注が見込まれるお客さまに、貸し出しを実施しないこと(怠慢)を回避する」、つまり営業担当者のボトムアップを確実にするためのルールだったと思います。
顧客訪問時には、実機を持参してPRする
営業担当者が、顧客訪問で製品PRする際は、カタログのみでなく【お客さまに実機をご覧いただく】というルールがありました。機器の操作をメインとするプレゼン手法は、直販営業担当者が入社後にマスターすべき必須項目です。新人のしどろもどろの説明でも、機器の現物があったほうがPR効果が高いのは、同業のライバル会社すべてが、同意される内容だと思います。
この際、【時効】だから申し上げます。私が所属したグループの先輩(凄腕の方)は、機器を営業車に積み込むものの、客先でほとんど利用していなかったと思います。それでも、この先輩は、お客さまとの対面折衝というスキルのみで、新規顧客を増やします(毎月の売上予算も連続達成が続きます)。また、ライバル会社の強力な値引きを仕掛けられても、全く平気で(ほぼ値引き無しで)受注します(かつて綴りました。コチラをクリックしてください)。もちろんキーエンスで禁止されていた接待を一切行わずに、ライバル会社に競り勝つのです・・・これは、誰もがマネできない80点のスキルです。
私も、入社一年目を経過したあたりに、実機による説明は「時間の無駄」だと判断(キーエンスで勤務するには、高いリスクかつ、とても生意気な思考です)、当時のキーエンスで、誰も行わなかった新しい戦術(いわゆる提案営業、コンサルティングセールスに類するものです)を先行して開始、新規取引も増やして営業表彰される結果を残しました(詳しくはコチラをクリックしてください)。後に、前述の先輩も、私と同じ戦術をとりました。結局、両者とも顧客訪問時に実機を営業車に積んだままで、売上が急伸します。もちろん、当時のキーエンスのルールには反した手法なのです。

証言:「ルールを守らない」我流の営業スタンス。好成績であっても・・・

ライバル会社のアンリツに転職してからは(経緯はコチラをクリック)、キーエンスと受注競争の毎日でした。転職した当初、キーエンスとの受注競争の場面では、アンリツの機器のほうが性能的に優秀であったこと(コチラをクリック)、機器を実際に開発したエンジニアのサポートもあったこと(コチラをクリック)等、恵まれた点がありました。ただ、それらを差し引いても、独自の戦術(キーエンスと全く違う我流の手法でしたが、誰もが実践できる内容です)で、個人的には難なく対策が打てました。しかしながら「相手方のキーエンスの営業担当者は、誰もが70点では?」と考えるに至りました(全国という視野で、全面的な競争のシーンでは、深刻な脅威でありました)
ブログに初めて書きます、声を大にして言いたかったこと」:対キーエンスで有利だったのは受注競争の場面であって、付随した売上競争が簡単に進むという体感は、ほとんどありませんでした。そして毎度訪れる営業担当者にとって不利な局面が、後の受注活動にも深刻ともいえる影響を与えていきます)。

そして、アンリツを退職して月日は流れ・・・1年ほど前に、営業所長より高い地位も経験した、キーエンス新卒入社同期と偶然再会したとプログで綴りました(コチラをクリックしてください)。
私が予想していた「キーエンスの営業担当者は、高いレベルの標準化がなされ、全員が70点では?」という見解、どうやら的中していたようです。キーエンスの営業担当者の業務手順(ルール)を無視して、誰もができない高いレベルのスキル、いわゆる「我流の80点スタイル」でセールス活動を行う営業担当者は、たとえ売上予算を連続達成しても評価されないとのこと。予算を達成するから報酬はいいだろうが、「マネージャ等の責任ある地位には就けない」ということでした。営業担当者に求められるのは「決められたルール(試行錯誤で得られた高いレベルの標準化業務)を愚直に繰り返すこと」だと。
それを聞いて思い出しました。リーダーに就任された私のグルーブの先輩。 経営幹部との個別ミーティングの際「部下の教育方針は?」と問われて、クセ者でもあった私や後輩を育成した実績があるので「個性を活かしたい」と返答されたそうです。ところが、即座に雷が落ちたと・・・「それは違う!高い目標設定で、標準化された業務をひたすらやらせることだ」と、叱責されたそうです。

以上、記事に登場された個性ある諸先輩方は、私同様にキーエンスを去っています。人材流出が続く状況で、従前同様に組織を回す仕組みが必要だったはずです。それゆえ、決められたルールによる管理、「さらなる営業の標準化」が加速されたのだと思います。

「ただいまのコンサルティング活動に活かせる」と確信できたこと

キーエンスは営業担当者担当者全員が70点、10名で総得点700点。
皆様の会社の総得点が600点(80点が2割、60点が6割、40点が2割)と、私見で仮定いたします。
キーエンスと、ライバル会社のアンリツ勤務の経験を持つ経営コンサルタントの立場として、企業規模に限らず(中小企業・大企業)、特に時間をかけず、短期間の研修(集合研修)実施で、皆さまの会社の総得点を10%アップ↑、660点レベルに上げることは、さほど難しくないと確信しました。
もちろん、総得点700点に引き上げることは難題です(首位のキーエンスに並ぶことなどは、夢物語かもしれません)。
660点ですと、キーエンス以外のライバル会社との受注競争では圧勝。また、可能性は低いですが、キーエンスと受注競争する場面でも、互角に勝負できるレベルを期待できそうです。
キーエンスのように「貸し出し機が豊富で無くても」「顧客訪問の際に持ち込む機器がなくても」、【新規のお客さまとの取引を増やす手法】です。経営コンサルタントとして活動してから、これまで仮説・検証してきたこと。それらは、独自のノウハウとして今後も間違いなく活かせるようです。

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