本日は、平成28年(2016年)6月24日金曜日
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント 元キーエンス社員、中小企業診断士の立石です】

本日は、みなさまの会社が「真似できないこと」です

経営相談等で、キーエンス出身の私に興味をもたれる社長さんのほとんどは
キーエンスの【高い利益(売上総利益、営業利益)/(率)】に注目されています。
本音は「目標キーエンス!」とされたいようです。
目標(ベンチマークとする)設定自体は、大変結構なことです。
しかしながら、水をさすようで恐縮なのですが、
私は「キーエンスと肩を並べることなどは、ほぼ絶望的です」と
正直に申し上げています。
というのも、就活生にはよく知られているキーエンスの高い給与体系が、
経営者の方に意外と知られていないからです。

キーエンスの平均年間給与 ついに1,700万超え

上場企業が開示する有価証券報告書(誰でも閲覧できます)には、
平均年間給与が記載されています。就活生の会社選びにも役立つと思います。
そのキーエンスの直近データは以下の通りです。
・・・キーエンスの第46期有価証券報告書の(7/59)頁よりの抜粋であります。

平成28年3月20日現在
従業員数 2,013(人)
平均年間給与 17,770,822(円)
平均勤続年数12.4(年)
平均年令 36.1 (才)
この平均給与は、一般企業の役員並み、あるいはそれ以上の報酬ですね、

1980年代後半、私が勤務していた当時の回想

確か入社2年目の源泉徴収票に、700万円強の記載があったと記憶しています。
成績が良かったので、賞与が最高評価と聞かされたことがあります
(最低の方と×2倍程度の差があったと思います)。
退職直前頃に、 創業者の講話で【平均年収1000万を超える企業にしたい】という方針(願望)があったと思います。
同期入社の彼の証言よると、まさに有言実行となって
私の退職後数年で年収1000万、10年後には1300万程度の年間給与があったとのことです。
(そんな高い報酬でも、彼は2000年代初頭に退職しましたが・・・)

経営者の方に正直に申し上げていること

企業規模に限らず、平均年間給与1,700万円のレベルは、通常は真似ができません。
(経営判断で実施するのはご自由ですが、赤字になる企業が大半でしょう)。
あたりまえのことですが、
(  )→「業績がいい」→「給与が高い」のであります。

遡って、上記の(  )部分「業績がいい」理由は?
「ひとりひとりの従業員が、(他社より)圧倒的に働いて・稼いでいるから」です。
では、キーエンス以外の企業が、キーエンスと同じ仕組みで、 従業員にパフォーマンス(成果)を求められるでしょうか? それはムシのいい話し、むしろ無理なお話しです。
高い報酬を与えず、高いパフォーマンスを求めると、
ごく一部の変わった人(私や同期の彼のように、転職先がキーエンスより明らかに低い報酬でも、「やりがい」を見出した人)を除き、 あっさり会社を去るからです。

まずは工夫と知恵で

高い給与を実現するためには、まずは工夫と知恵で「一歩一歩、確実にコツコツ」です
なるべく無駄な労力をかけずに、売上高を伸長させて利益を上げていくことが肝要なのです(これが、 私のコンサルティングのスタンスであります)。