本日は、平成30年(2018年)4月8日日曜日
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント
元キーエンス(→アンリツ)社員、中小企業診断士の立石です】

長時間労働で、ライバルとの競争に勝ち抜く】。
これは、新卒で入社したキーエンス時代に
身に着けた(体に染みついた)ことであり、
ライバル会社のアンリツに転職しても、
迷わず継続した、戦術のひとつでありました。

ところが、対キーエンスとの販売競争が最もし烈であった、
アンリツの拠点勤務時代(在任4年間かわらず長時間労働)に、
どうもこれが正しい手順でないことに、
気づき始めたのであります。
つまり(現在、再注目されている)労働生産性向上の
視点に着目したのであります。

前回も綴りましたが、
ちょっとした工夫】で
①同じ業績(売上高、対前年比△30%超UP)なら、
定時退社は無理にしても、連日18時には退社できる
(もちろん、土日出勤はゼロにできる)。
②また、当時の長時間労働を継続していれば、
更なる売上高UP(おそらく、毎年対前年比△200%超UP)が
可能だということです。

その【ちょっとした工夫】って何?

ひとつのノウハウですから
誠に申し訳ありませんが、具体的な内容はブログで綴りません。

その内容のレベルは、『できる・できない』といったものでは、
ありません。
いたって簡単『やるか・やらないか』だけのことです。

ただ、結論を申しますが、
私が所属したアンリツの事業部門では、
【(敢えて強調します)絶対に】導入されることはありませんでした。
選択されるのは、聞く耳持たずの『やらない(現状のまま)』。
当時は、誰が提言しても無理なのは確実。
というのも、簡単な内容であっても、
既得権益の突破みたいな、大変な労力が必要でしょうから、
誰も関わりたくなかったのが本音でしょう。

さらに、論理的に考えてみましょう。
【ちょっとした工夫】が無理であると、
どういう結果になるか?

簡単ですね。
①の仮説が無理だとすれば、
→①´
定時退社・18時までの早帰りだと、
売上高(対前年比)がマイナスに陥る。

同様に、②の仮説が無理となれば、
→②´
当時の長時間労働を継続しても、
売上高、対前年比△30%超UP止まり。
毎年対前年比△200%超UP実現の
機会損失が生じる

結局は、重大な結果(売上高減少)を招くわけです。
①´を選択するか、
②´を選択するか?アンリツでは自由です。
残業代に上限がある(制限されている)なら、
通常は①´を選択します。

稀に、私のように②´を選択される者もいます。
私は、キーエンスとの受注競争に完勝する(大事をなす)ために、
長時間労働や残業代などは、どうでもよかったのですが、
以上のロジックに、たどりついた瞬間に、
正直申しまして、モラール(士気)が下がりました。

試合に勝って勝負に負ける

以上の経緯から、
『自身の担当地区で、キーエンスに勝利できても、
全社的な戦いでは、キーエンスに勝利できないな・・・』と思い始めました。
実際に、おそらくキーエンスのシェアを逆転した最強時代と異なり、
年々、全国の販売台数が減少している事実がありました。
【試合に勝って勝負に負ける】ということが、
いよいよ現実味を帯びてきたのです。

勝つための、【ちょっとした工夫】が実践できない理由は、
もちろん「人」。
「人」に依存しているからです。
やはり、会社は人の良し悪しで決まります。

キーエンス勤務時代、創業者は会社が成長するように
(極論、傾かないように)、常に細心の注意を払っておられました。

特にこだわられたのが、
ごく少数でありますが、会社に一定比率で出現する「悪し」を、
そのまま放置しないことだったと思います。
キーエンス勤務していた当時、
そこまで徹底してやる必要あるかな?と。
理由は「人は、そんな悪い方向に進むはずがないだろう・・・
杞憂じゃないかな?」とも。

ところが、キーエンスの創業者が懸念されていた事態を、
皮肉にも、アンリツで実際に体験させて頂いた訳です。

悔しい想いをしたのか?
答えは『いいえ』です。
いま思えば、感謝あるのみです
(実務でしか得られない)貴重なノウハウとなったからです。

実際のところ、
B2B(BtoB:企業間取引)・製造業(卸売業)において、
営業部門の長時間労働/低い成果でお困りの
たくさんの経営者、そして営業担当者を救済できる
労働生産性向上の視点をベースとしたロジック】を確立できたからです。
その効果は、次回に。