本日は、平成31年(2019年)2月10日(日)
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント
元キーエンス(→アンリツ)社員、
中小企業診断士の立石です】

現在、メルマガに押されている感があるのが「DM」。
最近、交流して頂くお若い方の中には『DM(ディーエム)』という用語が
通じない場合もあり、驚く次第です(本当)。
【ダイレクトメール】と言い換えて、ようやく頷かれます。

DM:現在のIT全盛時代の前に、主流でもあったPR手法

郵便や宅配便会社の配送サービスで、『(紙)媒体』を送付。
コスト面で、配送料金等を考慮すると、メルマガが優位ですが
BtoB(企業間取引)では、DMという手法は、
まだまだ侮れないものだと思います。

理由は、最近DMの代替策として、
メルマガ発信が増えているからです
つまり、他社が手を引きつつあるDMアプローチが
「目立つ」場合もあるからです。
いわゆる「逆張りの発想」です。

DMで効果を上げるのは、メルマガや展示会と同様
【人の策(知恵)】次第です。

キーエンス勤務時代は、DMが全社的な戦術のひとつでした。
ライバルのアンリツに転職してからの私は、
キーエンス時代の直販営業とともに、DM戦術にも深く関わっていました
(ツールの作成~運用・実施)。

キーエンスは間違いなく、マス・マーケティングの手法。
アンリツ勤務時代は、相当な残業をこなしていたとはいえ
(例えば >>>コチラの記事をクリックしてください)、
しょせんは【日常の営業業務との兼務】。

しかも、全社的とは無縁の『有志(のみ)が、継続実施する』というシーンも多々。
キーエンスと同じパワーある手法は、
時間的な制約もあり、所詮は無理なことでもありました。

そんな中で、「どういう手法をとれば効果があるのか?」、
そして、
「どのようにすれば、運用・実施に負荷(時間)をかけずに済むか?」の
課題達成にむけて、嫌というほどの試行錯誤を試みました。

結果、実務上でのノウハウを蓄積(現在の完成形の基本を掴みました)。
実際、アンリツ拠点勤務時代に、新規取引先獲得を効率的に実現させた
施策のひとつが、DMでもありました。

今回は、DM入門編として、
レスポンスが、まず見込めないDMの特徴も記述します。
ノウハウ蓄積の第一段階(失敗を教訓とする)の、
ご参考になれば幸です。

DMは少なくとも4項目の工夫が必要

効果的なDMには、下記4項目の工夫が必要です。
封筒の工夫
封筒は、複数ページの資料が送付できるメリットがありますが、
日頃の業務で使う封筒の利用は、おススメいたしません。
・・・レスポンス率は、良くて0.1%未満(大抵は0%)の典型的な手法です。
理由は、興味を惹かず、単に開封されないまま廃棄されるからです。

資料の工夫
展示会同様、効果的な「見せ方」がDMにもあります。
開封しても、内容(資料の中身)を確認されずに、
ほとんどのDMは、(破り)捨てられる宿命にあります
(メルマガが、読まれないのと同じです)。

行動分析からなのでしょうか、一読頂けるように
『破れにくい紙』を使う手法があったようです(私は、
その現物を見たことがありません。もしかしたら紙でなく、
フィルムの類かもしれません)。
ところが、この簡単に破れないというのは、逆効果のようです。
相手方(お客さま)を『イラッ』とさせるからだそうです。

以降、当該企業からのDMは開封されず、
封筒ごと裁断機やゴミ箱へ直行という悲劇も。

この破れない紙の忌避は、交流会で
BtoC(一般消費者むけ)のマーケティングご担当方から、学んだノウハウです
>>>コチラをクリックしてください)。

レスポンス(お問い合わせ)を頂ける工夫
しっかり、PRができても、肝心のレスポンス(お引合・お問い合わせ)が、
得られやすい工夫が必要です。
これも熟考すべきことです、

封入・発送に負荷(時間)をかけない工夫
キーエンス勤務時代、付加価値の高い業務に専念する方針が徹底されていたので、
DMの封入(完成)・発送は、確実に外注化されていたはずです。
一方、アンリツ勤務時代は、直販営業を行いつつ、
自身のみや有志(のみ)とともに、実施するというシーンも多く、
DM実施の仕組みに、時間をかけない手法も追求しました。

2019現在のバージョン:事実上の完成形(これ以上、改善のしようがない)

会社勤務を終えて、経営コンサルタントとして独立してから、
DMをさらに洗練させました。
2004年頃に、上記4つの工夫を盛り込んだDMのフレームが、
完成の域に達しました。
(現在、マーケティングの研修やコンサルティングの場面で、
ご紹介している、あのツールです)。

完成形の効果

正直言って、パーフェクトでなく、効果にバラツキがあります。
レスポンス率0%という残念な結果から~最大8%超えという場合もあります。
ちなみに、3~8%超えの成功には、ロジカルなマーケティングのルールが存在します。

なお、特に意識したいのは、レスポンス率0%についてであります。
DMの(ツール:いわゆるハード)が優れていても
マーケティングの基礎が無いと(ルール無しで実施)=レスポンス率0%です。

DM実施の狙いは、もちろん受注拡大です。
一番嬉しい結果は、【DM実施】→即時【受注拡大】です。

一方、キーエンスとアンリツ勤務時代には、
【DM実施】→即【受注拡大】の他に、
中間過程、遠回りの効果を視野にいれていました
それも狙うことで、例えレスポンス率0%でも
DMを継続実施する必要性が、認識できたのであります。
「継続的に行う」・・・それが、DM最も重要なノウハウだと思います。