本日は、平成31年(2019年)3月27日(水)
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント
元キーエンス(→アンリツ)社員、
中小企業診断士の立石です】

今回は、B2B(BtoB:企業間取引)・訪問ビジネスを志向されている
製造業の『既存商品の拡販』を想定して、
そのツール(カタログ等)について語ります。

既存商品といえば、いまラインナップされている御社の商品。
特に、自社企画で開発・市場投入した商品を
たくさんのお客さまに、お買い上げ頂きたいというテーマです。
その実現にむけて、まずは「カタログの準備から」となりそうですね。

『カタログは第2の営業マン』といわれて久しいですが・・・

「お客さまにご覧頂く、カタログの出来の良さが、
業績伸長に貢献する・・・
よって、カタログは充実した内容で、制作に際しては真剣に取り組むべきだ」。
これは、私が社会人になった1980年代後半、
既に、当たり前のように言われていました。
但し、いざ実現するとなると簡単ではありません。

すでに、ご経験されている方も多いと思いますが、
特に新製品、特に新分野でのトライアル的な商品では、
発売当初のカタログ内容が、お客さまに伝わらず
結果的にお粗末なものになってしまうことも
多々あります。
でも、それは仕方のないことです。
商品に関して、発売当初の売り手の思考に対して、
買い手(お客さま)の思考が
必ずしも一致するとは限らないからです。

PDCA手法で、カタログを改定するにも、
いったん冊子となったカタログを作り直すというのは、
費用と負荷、そして時間もかかることです。

特に中小企業や新規事業部部門では、
簡単には対応できないことも多いと思います。
【なるべくお金をかけずに、既存商品の拡販を実現したい】、
そんなお悩みを、【人の策(知恵)】で解消することを目指す私は、
下記のことをおススメしています。

【2段構えの戦術】
当初のカタログは技術面のみの紹介で割り切る。
そして、リーフレット(チラシ)で補完

原稿を持ち込めば、フルカラーで、安価・短納期のプリント印刷の業者さんが、
いまや多数存在する時代となりました。
この外部環境を利用しない手はありません(是非、利用すべきです)。
昔は【チラシ】とも言われましたが、
現在は【リーフレット】という用語が浸透してきました
(地位が向上したのでしょうか?:笑)。

費用をかけない極端な手法のご紹介

制作済みのカタログで、
追記されるのは、技術的な部分、
追記とともに大幅に内容変更されるのは、PRの部分。
以上が大半を占める場合に、是非おススメしている手順です。

まず、当初の制作カタログは、数枚のワープロ文書程度で済ませます。
その内容は、技術的な部分の言及にとどめます(項目追記は簡単)。

そして肝心の『カタログは第2の営業マン』といわれる要素のひとつ、
【キーとなるPR部分】は、販売促進用のリーフレットに記載して
メインに利用するのです。
冊子としないリーフレットの制作は、もちろん1枚
(両面でなくても片面で十分です)。

受注活動を継続しながら、リーフレットの内容について、PDCAを実施。
作り直し(改定あるいは新規作成)についても、1枚の改定ですので
費用と負荷を明らかに減らせます。

リーフレットを手にされ、ご覧になられたお客さまから
『詳しい技術情報が欲しい』に至った際に、前述のワープロカタログを提示します。
何だか、みすぼらしいようですが、
その後、既存商品の現物を持参して訪問(いわゆるデモ訪問)を
実施すれば、特に問題なく完結できるはずです(まさに商品の現物勝負です)。

結果、販売が好調となれば、(ここはお好みですが)、
技術的な部分(ワープロ文書)と、
お客さまのレスポンスが良かったPR内容(リーフレット)を統合させ、
それこそお金をかけて、立派なカタログに仕上げるという手順もあるわけです。

ずっと言われ続けていた『カタログは第2の営業マン』に加えて
私の持論は
優れたリーフレットは、トップセールスマンの同行訪問と同じ』であります。

ところが、そのPR効果のあるリーフレットの作成、これが簡単なようで
世間の会社では、難しいようです。

もちろん、前回綴りました『営業センス』も必要となってきます。
制作手法のヒントなど、続きは次回に。