本日は、令和元年(2019年)5月12日(日)
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント
元キーエンス(→アンリツ)社員、
中小企業診断士の立石です】

私が新卒入社した、1987年当時のキーエンス。
今回は、営業所勤務で経験した
終日外出・帰社後について回想します。

繰り返しますが
当時の就業規則では
始業 午前8時30分
終業 午後5時15分
※時間外勤務(残業)の場合、
午後5時15分~から5時45分まで(30分間)は、休憩時間とされていました。
・・・休憩時間中は、残業代は支払われない(これは世間一般と同じ)

少ない訪問日数で、たくさんの訪問件数

営業担当者の外出(顧客訪問)は、週2~3日以内程度。
毎日の外出は、絶対と言っていいほどありえません。

世間の会社より、キーエンスの営業担当者は、外出日数自体は少ないですが、
事前アポ・終日の訪問実施で、トータルの訪問件数は他社を圧倒していたはずです。
(記事は、>>コチラをクリックしてください)。

外出の最終顧客訪問は、概ね18時で終えていました。そこから帰社です。
世間の会社では、終業時間を過ぎると、
会社に戻らず帰宅する、いわゆる『直帰』が一般的ですが、
キーエンスでは、原則営業所に戻るルールになっていました。

その理由は、
移動は、ほぼ100%営業車利用(駐車場へ)
デモ機の返納
盗難の恐れもあるので、営業所に戻す必要があります。
そして最も重要なのが、
外出報告の業務がある
外出報告書の帰社後記入欄を完成させて、上司と面談。
口頭報告実施と同時に、上司よりアドバイスをもらいます。
・・・訪問前も外出報告書記入、前日の残業時間に上司と面談。外出許可が必須です

外出報告にしても、その他の事務処理にしても
『その日の仕事は、その日のうちに』という暗黙のルールがありました。
実際、業務は残業でその日のうちに済ませないと、
翌日さらに忙しくなるリスクがあるからです。

残業代が支払われていたキーエンス
当時、支給対象外がありました。

営業所で勤務している際は、会議、勉強会、反省会すべて残業代が
支払われていたキーエンス。
(当時は残業代の計算は30分単位→>>>コチラをクリックしてください

但し、例外(支給されない)事項がありました。
確か、就業規則に明記されていたことなのですが、
以下については、支払われたという記憶がありません。

始業(午前8時30分)以前の営業所出勤

仮に、午前7時30分に出社しても、手当は無しでした。

外出中の時間外(早朝)勤務分

・1件目のお客さまには、【午前8時30分までに訪問実施】というルールがありました。
抜き打ちチェックもありました
当時は、現在より営業所の数が圧倒的に少なかった訳ですから、
担当地区によっては遠隔地もあり、早朝の午前6時~7時台には、
既に営業車を運転して移動中ということも、日常化していました。
午前8時30分より以前に、営業車で移動(勤務)しているわけですが、
こちらも支給対象外でした。

終業午後5時15分(正確には休憩30分後の5時45分)以降の外出時間

こちらも時間外(残業代)の支給対象外。
つまり、残業代は、終業後17時45分以降、外出の有無にかかわらず、
営業所内での勤務時間についてのみ支給されるということでした。

日当の制度

外出する営業担当者に、残業食の支給はありません。
残業代と合わせて補完する意味でしょうか、
当時は、『日当』支給の制度がありました。

営業担当者が、午後19時以降帰社(または20時以降帰宅)の場合、¥1,100支払われるは、しっかり覚えています。

以降、確か1時間刻みで(以下は、記憶がボンヤリしていますが)、
・午後20時以降帰社(または21時以降帰宅)¥1,600支払
・午後21時以降帰社(または22時以降帰宅)¥2,100支払
・午後22時以降帰社(または23時以降帰宅)¥2,600支払

もし18時59分に帰社した場合・・・
ルールでは【日当支給ゼロ】。

19時頃から営業担当者が続々と帰社します・・・タイムレコーダーの打刻音とともに
たまに『あっ!』と、悲鳴とも聞こえる声が・・・
(しまった!失敗した!という、つぶやきでもあります)。
18時59分までに帰社(打刻)すると
17時45分以降から、帰社時間までが実質タダ働きだからです。
(もちろん、帰社した時間から退社時刻まで
残業代は支払われますが)。

1分違いですが、ルール上
19時00分ジャストに打刻だと、日当¥1,100が支払われます。
19時59分でも日当¥1,100です
・・・17時45分以降の約2時間相当と計算すれば、時給換算で550円程
(安かったですね:当時アルバイトの方の時給が、600円台~だったと思います)。

ルールはルールであるが・・・

当時は、仕組み確立前の黎明期でもあったので、何かと営業所で
ひと悶着の騒動がありました。
この帰社時間を巡って、経営幹部と対立した方もいました。

ある営業担当者。
帰社時刻が毎度19時03分(たまに19時05分や19時09分)。
それが「おかしい」と、某経営幹部から叱責まがいのチェックを
受けていました(不正では?というニュアンス)。

指摘された営業担当者の方が、堂々と抗弁されます。
『担当地区は同じなので、帰社時間が類似することは不思議でない。
これは、私のペースです』と。
その場は、これでうまく収まりました。
・・・小さいことですが、こういう【性悪説】(くだらない管理)が
職場に蔓延してくると、人によっては勤務が退屈になっていきます。

当時のキーエンスは、世間よりやや高い報酬でありましたが、現在のように入社後数年で年収1000万円超えというのは、皆無。
高い報酬の対象は、創業者と役員・事業部長級のごく限られた方のみだったと思います。
事実として、キーエンスの賃金体系は、基本給は他社より低く抑えられていました。
世間より収入が多い源泉は、賞与と毎月支給されるキーエンス独自の【業績手当】
それでも、連日のキツイ業務の中で、さらに収入を増やすには、
確実な日当受給も、ひとつの手段だったのです。
・・・月8日外出で¥8800円。軽視できない金額ですね。

次回、[241]営業所に赴任してから教えられるキーエンスのルール⑥
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