本日は、令和元年(2019年)8月23日(金)
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント
元キーエンス(→アンリツ)社員、
中小企業診断士の立石です】

今回の連載テーマは、
ともに持続的な成長企業である、キーエンスと京セラについて綴っています。
京セラ創業者、稲盛氏の著書【実学】(日経ビジネス人文庫)で
知り得たことと、キーエンス勤務時代の回想をリンクさせています。
本日は、共通している部分についてであります。

その【実学】(日経ビジネス人文庫 P99)第4章に
『完璧主義を貫く』とあります。
業務については、稲盛氏は100パーセント達成を求めるとありました。
理由日はく。99%を結構とすると、やがて80%・・・70%でも
いいではないかと、社内の規律が緩んでくると。
即、キーエンス勤務時代を思い出しました。

キーエンスでは、仮に売上ゼロが○●年続いても、
会社が倒産することは無い。しかし・・・

私が勤務していた当時から、現在までのリクルート活動においても
キーエンスは『財務が盤石なので、仮に売上ゼロが○●年続いても、
会社が倒産することは無い』とPRされる為、
一見安定した会社であるとも受け取れます。

これにウソはありません。
実際、有価証券報告書を見れば、
内部留保が潤沢(キーエンスでは現金等の流動資産の占める割合が大きい)で
あることがわかります。

ただ、キーエンスでは「安定」という言葉は創業者以下全社員が、
忌み嫌う言葉でもありました。
『安定』という言葉をはき違え、「入社してしまえば、後は楽な人生だ」と
甘い考えを持った方が、入社されるのはおススメできません。

というのも、日頃の業務、たとえば営業部門でいえば、
毎月の売上高(キーエンスでは成果)予算目標については、
所属する(少人数の)販売グルーブ単位で、毎月100%の達成を求められたからです。
これは京セラと同じです。

『内部留保が潤沢だから、少々予算実績を落としてもいいじゃないか』
『本年度は、全社的に黒字推移だからいいじゃないか』という考えは、
絶対に認められません。

私が勤務していた営業所で、
ある月に100%達成に及ばないが、確か実績が予算比99.9%の販売グルーブがありました。
もちろん例外無きルール、【キーエンスの営業部門で予算未達成なら、販売グルーブ全員が反省会開催】となるのみです。

『完璧主義を貫く』・・・キーエンスが、
京セラの経営に相当影響を受けているという仮説は、
間違っていないような気がいたします。