本日は、令和2年(2020年)5月6日(水)
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント
元キーエンス(→アンリツ)社員、
中小企業診断士の立石です】

B2B(企業間取引)で、訪問セールスビジネスを展開する企業について
綴っています。
まずは、前回の記事をご覧ください。
>>>コチラをクリック)。

厄介な新コロナウィルスという、抗うことができない外部環境の変化。
すなわち、顧客への訪問が【自粛(または禁止)】。

今回は、【汎用品】かつ【リピート品】を扱うセールス部門の今後について
顧客訪問不可が継続した場合、あるいは転機として出現するであろう
セールス手法について、私見を述べます。

現況では、ライバル会社はもちろん、取扱店も訪問不可。
代替となる販売手法が必要となります。
まず思う浮かぶのが、ECサイトによる販売でしょうか。

EC開設の前に考慮したい、買い手と売り手の都合

ECと買い手

特に前回綴った中小企業。
ネットが利用できる環境であっても、
B2B(企業間取引)では、BtoCのように
気軽に利用(発注)というのは、無理があるかもしれません。
入力業務が、時間のかかる『手間』であることには
変わらないからです。

ECと売り手

今回の外部環境の変化で、全てのお客さまが、
今後100%ECサイトを利用するという前提であっても、
売り手が、忘れてはいけないことがあります。

獲得する利益の変動リスク

提示(購入)価格が、通常は一律同じであるBtoCと異なり
BtoB(企業間取引)では、同一商品でも顧客毎に「契約価格が異なる」のが
一般的です。
ECサイトで、取引実績価格より低い価格を提示した場合、
スムースに注文されることになりますが、当然売り手の利益は減少します。
解消するために、取引企業ごとに実績価格を提示する仕組みが最適なのですが、
もちろん『システムが複雑』となります。

また、仮にそのシステムを構築できても、
『汎用品』である宿命のひとつ=【ライバル会社の同等品】の存在があります。
一方が、価格競争を仕掛けた場合、ネット販売では、これまでの販売競争とは異なる
【ごく短期間でのシェア変動】が発生する可能性があります。

結末として、同業の各企業が、できうる限りの最低価格(但し法規制で、原価割れ販売は不可)を
提示する事態になるやもしれません(いわゆる不毛の叩きあい)。

EC開設推奨は、最近語られる
『ルーチン業務』の自動化=営業担当者不要(リストラ)論に結びつくものでもあります。
なんとなく説得力がありそうですが、上記のリスク等を考慮する必要があります。

訪問以外の代替となるセールス手法・・・次回は、
ECとは真逆の古典的な手法(原点回帰というほうが妥当かもしれません)を
綴りたいと思います。