本日は、令和元年(2019年)10月1日(火)
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント
元キーエンス社員、
中小企業診断士の立石です】

本日も私見です。

中小企業診断士【経済学・経済政策】の対策について綴ります。

過去問ですが、連日経済関連の記事に関心がある方は別として、
冒頭に出題される統計等のグラフ・・・短期で成果の上がる試験対策は無理ですね。
直近のリーマンショックが、いつ起こったか位は
知っていて損は無いと思いますが・・・

基本得点はミクロ経済学・マクロ経済学から

経済学部出身の方なら、1~2年生で学ぶ程度。
在学中にフツーに勉強して、卒業できた方は
問題なく対処できるはずです。
もちろん、ひねった設問もありますが、基本論点は同じです。

難問といえば・・・
正直言って、初学者の方は
あまり難問は相手にしなくていいと思います。
但し、受験生にとって難問のようですが
個人的にウオッチしていて、頻出のテーマがあります。

そのひとつが、市場の失敗のうち
負の外部性(外部不経済)のテーマです。

これまでは、ピグー税等の政策実施について
グラフから読み解くという設問でした。

平成30年度は、これまでと違う論点で
良問が出されたと思います。
学習ゴールの際、一度トライされてはいかがでしょうか?
コースの定理です。

中小企業診断士
平成30年度第1次試験問題 経済学・経済政策 第16問
ご覧ください

コースの定理
簡単に言うと
ピグー税等の政策無しで、当事者間の協議(再交渉)で最適な資源配分を実現できる。
例えば、住民と企業(本問はマンションの建設業者)が争って
既に一方に権利確定済、あるいは確定判決(住民と企業のいずれか一方が勝訴)の後に
再交渉する。
・・・手法は『ズバリ、一方(表現が悪いですが、弱い方)が、お金を支払う』
(名目は、特に覚える必要もありませんが、補償金や協力金等)。

平成30年度(第16問)是非トライしてみてください

正解はアです
マンションの建設業者が補償金を払う。
・・・支払う総額□BFHC

設問をご覧ください。
ここが重要で【周辺住民】が【利用権】を持っているとあります。

ここから、再交渉となるわけです。
そのままだと、マンションの建設業者は生産できません(建築:生産量ゼロ)。
マンションの建設業者から『【Q1レベル】の生産させてください。
但し、外部不経済に相当する補償金(□BFHC)を、住民の皆さまにお支払します』となり、
最適な資源配分を実現できるのであります。

あわせて理解しておくと【来年度以降の試験対策】になるかも

若し設問が
【マンション建設業者】が、訴訟で【建築できる確定判決を得た】となると、
再交渉の内容が異なってきます。

マンションの建設業者側は、住民に遠慮せず生産量の多い【Q0】で建設します。
以降、住民側が『【Q1レベル】まで減らしてください』と再交渉します。
※★そこで、住民側がマンションの建設業者に
お金(名目は協力金でしょうか)を支払います。

以上の結果、どちらが権利を有していても
再交渉(お金を支払うこと)で、Q1レベルの生産量となり、
最適な資源配分を実現できるということです。

ちなみに、
上記の※★のケースについて
住民側が支払う部分は、グラフのどの部分ですか?
結論から言って□BFHCではありません。
→この答えは、是非皆さまの先生に伺ってみてください