本日は、平成30年(2018年)6月19日(火)
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント
元キーエンス(→アンリツ)社員、
中小企業診断士の立石です】

先日のブログで、キーエンスの平均年収(年間平均給与)が
2000万(平均年齢35.9歳)を超えた旨、綴りました
(記事は>>>コチラをクリックしてください)。

では、世間一般の平均年収って?

今回、
「求人情報・転職サイトDODA(デューダ)さんのウェブサイト、
平均年収ランキング2017」より
以下を抜粋させて頂きました。

・・・以下、抜粋記事・・・
20代 346万円
30代 455万円
40代 541万円
50代 661万円
36歳 475万円
・・・抜粋記事・以上・・・

36歳も抜粋させて頂いたのは、
現在のキーエンスの平均年齢が35.9歳だからです。
キーエンスでは、入社3年目あたりで1000万の大台を超えると
漏れ伺っております。
以上の点から、もはや逆立ちしても、キーエンスに及ばないと
あきらめられている方も、いらっしゃると思います。

では、どうすれば年収が上がるのか?について、
私見ですが、語ってみたいと思います。

本日は、そのひとつを上げます。
ごくあたりまえのことですが、
参考になればと思います。

[1]高い利益を獲得すること

ここでいう利益、
具体的には売上総利益(粗利)です:計算式はご存じの通り
売上高-売上原価です。
経営者は、売上総利益(粗利)の総額が大きくなれば、報酬(まずは賞与から)を
増やされるのが一般的です。

世間では、その高い利益獲得の要因が
原価が安いということに、目を向けられる傾向があります
ファブレスこそが、利益の源泉だと。
・・・これは、一見正しい意見ともいえますが、私の見解は違います。
というのも、デジタル時代の昨今、相当数の企業が、
ファブレスを志向しているからです。
(そのファブレス企業のすべてが、高い利益を獲得できるとは
断言できないですよね)。

もちろん、キーエンスでは、原価低減活動に注力しているはずですが、
原価自体は、ライバル他社と大きな差が無いと思います。

高い利益を獲得できる、いちばんの理由は、
高い値付けで、販売できるということだと思います。

世間一般では、あまり知られていないようですが、
キーエンスの販売している商品のほとんどに、
ライバル会社が存在しています。
センサ、PLC機器、精密計測機器、バーコードリーダー、デジタル顕微鏡・・・

当然、不思議に思われることでしょう。
ライバルがあるのに、価格競争とならずに
何故、高く売れるのか?と。

かつて、綴りましたが、
私が新卒入社した初日に伺った、創業者のお話しにもヒントがあります。
資本主義社会における自由競争の原理で、暴利というものはありえません。
もし暴利ということなら、必ず競合会社が出現して安い価格の同等品でその会社を叩きます」。
(関連記事[33]は、>>>コチラをクリックしてください

つまり、ライバル会社との競争シーンで、価格競争以外の競争場面においても、
圧倒的に勝利しているからに、違いないと思います。
もっと言えば、現在の同業他社で、
いまやキーエンスを、圧倒できるライバルが存在しないということでしょう。

他社と差がつく(他社が弱い)、高い利益を獲得できる要因を、私見で単純化すると、
製品力・・・ユーザーの[これが欲しかった]という機能(価格競争にならない)
PR力・・・現有商品(特注対応は一切おこなわない)を、
たくさん売り切る販売促進手法(他社と競争になる前に売る)
営業担当者・・・質(スキル)と活動量→対面セールスの各シーンにおける
差別化やライバルの顧客継続フォローミスを出し抜く等
出荷・・・即納体制の厳守(厳守であり、原則維持という生ぬるい用語は、
あてはまらない)
サービス・・・修理期間中の代替機貸し出し
以上のように、お客さま第一も視野にいれながら
全社的な活動で、受注競争に勝ち抜くのがキーエンスだと思います。

強い者が勝つ】のではなく
弱い者が自滅する】という構図【
弱者必衰

特に、ライバル会社が、真似できない強みは下記の点だと思います。
それは、[人(社員全員)の働き方]です
(私自身が、対キーエンスとの競争で身を持って、思い知らされたことであります)。

キーエンスでは所属部門に限らず、働く全員の負荷が同じ

BtoBの製造業は、チームプレーであることに間違いないです。
(激務というより、まずは、全員がフツーに働くということが肝要です)。
つまり、スーパースターのいるチームより(もちろん、いれば幸いですが)、
まずは、サボる社員や足手まといとなる社員が存在しない企業の側が
受注競争に勝つということです。
厳しい表現になりますが、実際に体感した現実であります。

キーエンスの受注競争に勝ち抜く体制を支える[人(社員全員)]は、
ブレの無い創業者の方針と、教育体制の充実(厳しいながらも
熱心な先輩の教育、勉強会の実施)等々で、育成できたのだと思います。

過去のブログでも、何度か綴っておりますが、
以上の高い利益を獲得する要因は、すべて『簡単で当たり前の内容』です。
正直申し上げて、どの会社でも実践できることです。

但し、その実現については、
経営トップの決断と関与が絶対に必要だと、断言しておきます
最近、私宛にリクエストが多いのは、以上のナビゲート業務であります。

ちなみに、私が考えるキーエンスの営業担当者の質(スキル)は70点レベルです
(スーパースターレベルでないものの、ライバル会社に勝ち抜けるレベル、
誰もが実践できるレベル)。
これまで、営業担当者に教育を実施したことがない企業にとっては、
70点レベルというのは、意外と難関かもしれませんが・・・
すべて研修で修得できる内容です。
ご参考までに。