本日は、平成26年(2014年)4月27日日曜日

【東京・四ツ谷の経営コンサルタント 中小企業診断士の立石です】

土日・祝日のテーマは「バラエティ」です。昨日に引き続き、私が新卒で入社した株式会社キーエンスの話題です。当時のキーエンスは中小企業から大企業へ飛躍する頃でありました。現代の中小企業経営者に参考になることも多いと思います。私の頭の中の記憶を綴りますが、もう四半世紀以上過ぎたので、ボンヤリした内容かもしれません。最近は何事につけ日記を書いておけばよかったと後悔する日々です(笑)

1988年(昭和63年)。昨日のブログの通り、私が販売担当する精密計測機器の分野で、大手ハイテク会社の本格的な逆襲が始まりました。購入を検討しているお客さまが、この大手ハイテク会社の機器の存在を知れば、まず勝つことができなかった為、苦戦が続きます。困ったことに、私の所属しているグループの販売地域には、この大手ライバル会社の販売拠点(支店・営業所)が7か所程あった記憶があります。特に私の販売担地区には3拠点。地域密着営業の勝負で勝てるはずがありません。まさに最大の危機を迎えたのです。

「危機」ということで、話が変わりますが、経営コンサルタントになってから気づいたことがあります。成長していた企業が、これまで経験したことの無い壁にぶつかり、対処できる策がない場合、営業部門では意味の無い「精神論」が台頭し、組織を支配する場合があります。特に、管理者が無策、あるいは極端に能力の低い場合が最も顕著で「気合いをいれろ」「食らいつけ」といった発言が平然とまかり通るようになります。経営トップが、そういった「一見、元気よく見える精神論」を支持したくなる気持ちも、わからないわけではありませんが、根本的な解決にはなりません。成長する企業、特に中小企業では注意したいところであります。内部で解決できない問題が発生した場合には、経営トップが、早期に外部の意見を求めることもオススメします。経営コンサルタントに意見を聞くのもそのひとつです。

ところが、私が所属した販売グループでは、そんな精神論とは一切無縁です。凄腕の責任者の「ココ一番に元気が無いというのは論外だが、気合でモノは売れない」という方針には全くブレがなく、知恵を使った数々の販売戦術が成功します。上司の責任者が注視していた私が発案した戦術も、グループの先輩が枝葉をつけて最終的には「脱・しつこい営業」「最短で受注」「ライバル会社に効率的に勝つ」を兼ね備えた最強の戦術となり、大手ハイテク会社の追撃に、見事もちこたえたのでした。その結果、価格・性能で不利なはずの新製品の販売もまずまずとなります。苦しみながらも、販売グループの毎月の売上目標予算も連続達成。特急電車のごとく止まらなかったのです。

通常なら、強力な新製品を投入した大手ハイテク会社の完全勝利は、確実だったはずです。もちろん大手ハイテク会社には商品力以外の面で、ウィークポイントもあったはずですが、私の販売グループが生き残れたのは、責任者の能力・指導力のおかげだと、今も確信しています。キーエンスの精密計測機器の部門の疾走を完全に止めるには、ライバル会社が「高精度・低価格」の商品を投入するだけでは困難であるということが、現実に起きたのです。

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