本日は、平成30年(2018年)11月4日(日)
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント
元キーエンス(→アンリツ)社員、
中小企業診断士の立石です】

B2B(BtoB:企業間取引)製造業・訪問ビジネスの分野では、
10年前のリーマンショックの傷も、ようやく癒えてきたようです。

というのも、業績回復(伸長)に伴い
営業部門での増員(新卒、中途採用)を加速されている企業が増えているからです。
それに関連してか、
営業部門の強化(特に新人営業担当者の早期育成・即戦力化)の
ご依頼が増えています。

リストラの嵐が延々と続いた、雇用を巡る環境変化のせいでしょうか?、
最近のB2B(BtoB:企業間取引)製造業・訪問ビジネスの企業において、
自社で新人営業担当者の早期育成・即戦力化は、もはやキーエンスにしかできない?
・・・そんな実感があります。
今回は、その理由をいくつか綴って参ります。

くだらない業務の有無

私は、新卒者一括大量採用に舵を切られた2年目となる
1987年4月にキーエンスに新卒入社。翌月の5月から営業所勤務。

営業所長との初のミーティングで話されたことを、思い出しました。
『当社は、研修や教育専門の部署が存在する大手企業ではない(当時)。
新人の教育は、日々のセールス業務をこなす先輩が直接行う』と。
その話しを伺っての第1感:先輩の負荷は凄まじいな・・・

かつて綴りましたが、キーエンスの営業部門は少人数グループ単位で
毎月のグループ目標予算の達成が求められます。
(ちなみに目標予算は売上高でなく成果目標
>>>詳しくはコチラをクリックしてください)。

新卒入社の営業担当者は、入社初年度下期(10月)には、
キャリアが浅いという面で若干の考慮がありますが、
担当地区とともに、先輩方と同等の目標予算金額を割り当てられます。
よって、毎月のグループ予算達成には、新人の早期育成(即戦力化)が、
欠かせないものとなります。
オーバーな表現になりますが、キーエンスにおいて
新人教育の放棄は、先輩社員としての存在価値がありません。

さて、勤務時代をよくよく考えると、
キーエンスの営業部門には【くだらない業務】が、ほとんど存在しませんでした。

つまり、先輩方は重要な業務である「新人営業担当者の育成」にも、
注力できる環境にあったのだと思います。

キーエンス以外の世間一般の企業では、
少なからず【くだらない業務】が存在して、
新人を教育する時間を確保できない、そんなシーンも散見いたします。

また、不思議なことに【業務の効率化】と称して、
何らかのシステムを導入したものの、
以前より一層職場の負荷が増える(結局は、新人教育は後回し)・・・
まさに、悲惨の極みといった企業も存在しています。

雇用不安の有無

キーエンスで、整理解雇等のリストラを実施したという話は、
いまも昔も聞いたことがありません。
つまり、世間一般の企業のような、雇用不安は存在しないのです。

実は、スキル・ノウハウの共有・継承は、
終身雇用の保証があってこそ成立する仕組みであります。

B2B(BtoB:企業間取引)製造業・訪問セールスビジネスにおける
スキル・ノウハウ、特にハイレベルな内容は、
属人的な内容が多いのも事実です。
しかも門外不出であり、愛弟子(まなでし)に
直に口頭で(口伝)伝承される場合も。

ところが、21世紀以降は早期退職者募集(最近は若手も対象であったりします)を行う
企業のニュースが多かったせいでしょうか、
その終身雇用が保証されない環境下では、営業部門内でスキルやノウハウを共有・継承する意思が、失せてしまっている事態も生じています。

元来、営業担当者のスキル・ノウハウは、
キーエンスと同じく、共有・継承される→営業部門全体のレベルを上げる
→全社の業績伸長を維持・継続する→リストラの必要の無い会社にするというのが
本筋なのですが・・・
いまや世間一般の企業では、営業担当者のスキル・ノウハウは、共有・継承するものではなく、
自社での生き残り、または退職した後の人生に不可欠な【自分自身だけの武器】と
考える向きが、増えてきているような気がいたします。

営業部門の先輩が個別にスキル・ノウハウを抱えて、
新人に教えることは、薄っぺらい内容ばかり。
早期育成・即戦力化などは、見込めない時代に突入したのかもしれません。

自社内で完結できないなら、外部(コンサルタントやセミナー研修)を活用するという
流れに至りますが・・・