本日は、令和元年(2019年)5月15日(水)
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント
元キーエンス(→アンリツ)社員、
中小企業診断士の立石です】
本日も午後23時台の投稿です。

キーエンス全営業担当者のルール
【外出(顧客訪問)は、週2~3日以内程度】。
(前回綴りました)。

本日は、この外出ルールの思わぬ効果・第2弾です。
(いたって簡単な内容です)。

営業車両の台数を抑えられる

キーエンスの営業部門のように、顧客訪問を車両で行う企業。
仮に、営業担当者が2名いて、連日外出の場合、
計算上、営業車は人数分の【2台】必要となります。

一方、ひとりあたりの外出が週2~3日以内程度であれば。
うまく回せば、営業車は【1台】(営業担当者数の半分)でも、足りるわけです。
・・・ガソリン代(経費)について、どこのスタンドが安いか?と探すことより、
明らかに経費削減効果が高そうですね。

では、営業担当者の外出が、偶然同じ日に集中した場合は?
(当然、車両が足りなくなります)。
その状況下でも、キーエンスでは即座に車両を増やしません。

まず、レンタカーの利用で対応します。
以降、レンタカー利用の頻度が、相当多くなった時点で
ようやく車両を増やすことを検討します。
この石橋を叩いて渡るような慎重なスタンス、
キーエンスのある方針と、共通性があると思われませんか?

そう、正社員の増員です。

多忙だから(例えば、お客さまへの対応が増えたから等)という理由
だけで、キーエンスが簡単に増員しないのと同じです。

外出のル-ルは、車両の保有台数・効率的な活用にも波及し
高い利益の獲得にもつながります。
まさに、キーエンスの経営理念
最小の資本と人で最大の付加価値をあげる』に合致しているのであります。

専門知識を持つ営業担当者。最小の人員で効率的な活動を行う営業体制こそが、
高い報酬(年収)を実現する

ここで、キーエンスと同様の、B2B(BtoB:企業間取引)・製造業・訪問セールスのビジネスを想定してください。

前回綴った、
“営業担当者は、常に外に出て稼ぐものといった常識”に、とらわれている企業では、
営業所内にいることが悪」とされ、連日、営業担当者全員が外出となります。

日中、営業所へのお問い合わせ(技術内容等)への対応については、
顧客満足度の向上の視点であっても、キーエンスと異なった方向に向かう場合が
多いと思います。
例えば、エンジニアに直接対応させる、あるいはコールセンターを設置する等。

実のところ、お客さまからの技術的な質問に対しては、
『(受注を目指す)顧客対応力』に優れている営業担当者が、一次的な窓口になる方が、有利であることに間違いありません。
(特に、キーエンスの営業担当者は、勉強会で製品知識を叩き込まれるので、
鬼に金棒であるわけです)。

企業によっては、
「営業の仕事は、売ることだけで十分。技術的な内容は、社内のわかる者に対応させておけばいい」という思考もあるでしょう
・・・時に、勉強嫌いの営業担当者が、よく口にする言い訳でもあります。

ただ、「最小の人」という観点のない安易な増員は、
仮に高い粗利益を確保できても、分配の段階で頭数が多い
→ つまり、ひとりあたりの報酬(年収)を、キーエンスのように高く設定することは
難しいのであります。

関連で、前回に続き、
経営トップ・経営幹部の方に質問いたします。

経営コンサルタントの立場で、御社の高い利益獲得(高い年収)実現を目指して
伺います。
昨日は、キーエンスの外出のルールを、真似る必要が無い前提で質問いたしました。

本日はあえて、良いとこ尽くめの、当該ルールを御社でも導入すると
仮定してください(推奨する経営コンサルタントが、最近増えつつあります。)

すなわち
御社の営業担当者の1週あたりの訪問日数を、2日ないし3日以内とルール化して訪問件数も増やす。
なお、
・営業担当者の顧客対応力や製品知識は、申し分ない(キーエンスと同等)
・営業担当者のモラール(士気)は高く、外でサボるような者は、ひとりとしていない。

さて、導入後の御社は?
残念ながら、業績が上がらないケースが多々あります。
訪問件数を、人事評価の項目としても(訪問件数が)増えない
→商談が増えない →受注が増えないという悪循環。
その原因や理由は、企業によってさまざまあります。

正直言って、フレームの導入推奨・提案は、誰にでもできます
(極論ですが、ネットから得た見聞知識程度で可)。

一方、導入前にリスクの提示、あるいは、導入後の問題を解決できるのが、
経営コンサルタントの、腕の見せどころなのであります。
本日ご紹介した領域も、私は実務経験を通じて熟知しています。
>>>お悩みでしたら、是非ご相談ください