本日は、令和元年(2019年)9月28日(土)
【東京・四ツ谷の経営コンサルタント
元キーエンス社員、
中小企業診断士の立石です】

本日は、久々に経営コンサルタントとして国が認める唯一の国家資格
『中小企業診断士』の話題、まさに令和版です。
まもなく10月です。来夏の一次試験にむけて、学習開始という方が多いと思います。
今回は初学者の方へのガイダンス(あくまで経験と私見)を綴ります。

まずグラフをご覧ください
(出典:試験機関となる【一般社団法人中小企業診断士診断協会】公開
の【統計資料】を抜粋・編集しました)。

一次試験合格者が、7科目受験一発合格者か、複数年かけて合格されたのかは、公開資料から知る由がありません。ただ、本年度の合格者は多い(合格率も高い)ので、もしや来年は難化???

【全7科目受験】(本音は【理屈トリオ】1科目免除)こそが、一次試験一発合格の秘訣

私は、平成21年(2009年)10月より学習開始。
翌年の平成22年(2010年)度8月実施の一次試験
全7科目受験で合格いたしました。

一次試験は、3年以内に7科目を合格すれば、二次試験受験のキップを手にします。
初学者の方にとって不利なようですが、実は全7科目受験で一発合格を
目指すのが妥当だと思います。
(これは受験指導の予備校でも、よく言われていることだと思います)。

理由は、毎年7科目それぞれに
難易度の高い科目(受験当時は『爆弾』科目、もしくは『地雷』科目と表現)が2科目。
と同時に、
比較的やさしい科目(受験当時は『エンゼル』科目と表現)が2科目登場していた
からです。

どの科目が爆弾・エンゼルとなるかの組み合わせは、毎年変わるようです。
つまり、複数科目合格で残された科目を受験した場合、
もし『爆弾』が来れば、ほぼアウトということです。

一方、全7科目受験の場合、700点満点で合計420点以上で合格。
各科目60点以上が必須ではなく、各科目40点未満の科目が無いことが
合格条件となるのであります。
つまり、複数の科目が60点未満となっても、40点未満の科目がなければ
他科目の60点以上の上乗せ分で、補てんできる
(受験科目が多いほど、リスク分散化にもなる)わけです。

ただ、各科目80点以上を得点するのは、
まさに神の領域で難しいと思います。
各科目、バラツキ少なく52点~68点を取ることを目指す、
浅く広くの学習が必要だと思います。

【全7科目受験】と綴りましたが、本日の本音。
【理屈トリオ】1科目免除

個人的見解ですが。
暗記だけでは無理な科目・・・5月のGWまでに一度完了させたい科目
財務・会計
経済学・経済政策
経営法務
以上3つが【理屈トリオ】
さらに、
・企業経営理論(マーケティングを除く経営戦略等々の部分)
・運営管理の生産管理と店舗・販売管理の【GMROI】等。

暗記メインで何とかなる科目・・・5月以降に注力
・経営情報システム
・企業経営理論(マーケティングの部分)
・運営管理の店舗・販売管理全般
・中小企業経営・中小企業政策(完全暗記)→試験当日の休憩時間も詰め込みます

実は、上記の
財務・会計
経済学・経済政策
経営法務
これら【理屈トリオ】は、エンゼル科目になっても、
そんなに易化しないと思います。
そういう経緯で、このうち1科目を単科合格して、
残り6科目受験も立派な作戦です。
ただ、財務・会計は2次(事例Ⅳ)と関連します(まさに、継続学習の科目です)。
よって、経済学・経済政策、または経営法務の単科合格も作戦のひとつです。

その実経験が3月頃。
経営法務の講義(次はラストの中小企業経営・中小企業政策)が
始まったのですが、受験生にとって累積してくる負担がピークの時期でした
・・・このあたりから、脱落する方が多かったような気がいたします。。

そんな中で、前年度の大爆弾であった経営法務を、何と単科合格(つまり60点以上獲得)した勉強仲間がいました(翌年の2次試験。めでたくも共に合格いたしました)。
理屈科目の一部を除いた6科目受験者と、7科目受験者の負荷の違いを
思い知らされました。

当時、【エンゼル科目】の不定期出現など知らなかった私、
前年(受験開始から数ヶ月前)の経済学が易化していたようで
単科合格を目指しておけばと、大変後悔いたしました。

翌年の(私が受験した)経済学は【大爆弾】。
全受験者に4点加点という調整がありました。それでも合格率は6%台


このグラフの出典も、試験機関となる【一般社団法人中小企業診断士診断協会】公開
の【統計資料】を抜粋・編集しました。

経済学・経済政策の科目合格者です。
(60点以上で、一次試験通過合格者は含んでいません)。

私が受験した平成22年の合格者・合格率の何と低いこと
(受験者全員に4点加点しても、この事態)・・・大爆弾でした。
また一次試験通過合格者も、60点以上獲得した方も僅少だと思います。

当時、試験直前まで【経済は楽勝】という雰囲気が、生徒・講師の一部の方にもありました。
『違うんじゃないの?』と、唯一憂慮していたのは、
既記の経営法務単科合格の勉強仲間でした。

試験当日、初日の最初が経済。
私は試験監督者が座る一番前席付近。
試験開始後30分経っても退出者がゼロ。
終了10分前にひとりが退出。
そのときの試験監督者の言葉『君、本当にいいの?』。
いきなりの爆弾科目で、ペースを崩した受験生が多々いたことでしょう。

私は、なんとか得点調整発表前の自己採点で
経済は60点クリアできたようでした。

この経済爆弾ショックのせいでしょうか、通学していた受験指導の予備校で、
7科目受験コースで、一次試験合格通過者は僅少だったと思います。
ある100名以上のクラスでは、合格者がいなかったとか・・・
そして、私が所属した某講師の私的な勉強会(7科目受験で、
とにかく勉強時間のノルマ有り)でも、
第2次試験進に進めたのは、私を含めてわずか6名(例年20名程度とのことでしたが)。
そして第2試験の合格者は3名(こちらは合格率50%!)
(私は、この年の第2試験不合格で、翌年の平成23年度に第2試験合格となりました)。

月日は流れましたが・・・

受験から10年を経過したのですが、
得意の分野であった『経済学・経済政策』は、毎年ウオッチとしています。

次回は、『経済学・経済政策』基本的な勉強法等について。
そして余裕あれば、ミクロ経済の分野について。具体的には平成26年度の第21問
(いわゆる貿易と余剰について。これは良問だと思います)。
これを、さらりと解答できるまでの学習手順を綴りましょうか・・・。