本日は、令和4年(2022年)11月7日(月)
【マーケティング&セールス/B2B(BtoB:企業間取引)
製造業(卸売業)専門の経営コンサルタント(中小企業診断士)、
元キーエンス(→アンリツ)社員の立石です】

本日の記事は、30年程前、不況下でも急成長途上のキーエンスに関する初公開ネタにいたします。
採用が中途採用から、新卒者へシフトする過渡期の回想です。

キーエンスでは、私が入社する1年前の1986年あたりから、採用は新卒者がメイン(大量一括採用)となります。
それでも、営業部門では予想を超える業績伸長、または退職者の補充を理由に、中途採用も相当数実施していました。

私が配属された、最も高額な商品を扱う営業所グループでは、新卒者は私のみ。
中途採用の先輩と話していて
[新卒入社組]に対して、いま思えば破格ともいえる優遇措置があったと知りました。
その格差たるや・・・ご判断ください。

※住まい

・中途採用の方は、内定後に通知される国内の赴任先で
自身で住居を探す。敷金、引っ越し費用、家賃はすべて自己負担。
一方
・新卒入社組は、ブログで綴りましたが、会社が用意した借り上げ住宅
(当時は1kのアパート程度ですが、新築)に住みます。
赴任先への引っ越し費用は会社負担。
しかも、毎月の家賃の半額を会社が負担(たしか2年間)。

※初の新卒者への夏の賞与支給

6月に支給される夏の賞与。3月までの業績が前提なので、
4月入社の我々新卒組には無縁と思いきや、
創業者の方針で突如「今年入社の新卒者にも一律10万円を支給する」との一報がありました。
いまのように携帯電話のない時代です。
しかも固定電話を契約するにも加入権が必要でした。すべてそちらに充てて、当時のひとり暮らしには珍しく、
固定電話のある日々を満喫している同期も多かったと思います。
創業者が即時決断・実行したのも、新卒入社組への配慮とともに、期待も含れていたはずです。

就職難を乗り越えて入社した新卒同期の印象

就活中の1986年当時、急激な円高(短期間で1ドル240円→180円→150円)で
製造業が不況に陥るという逆風でも、強気ともいえる採用数という逆張りを選択していたキーエンス。
製造業を目指していた学生(特に文系)が、大手の採用は絶望的と知り、こぞって中小企業を探索。
当時、非上場のキーエンス(社名はリード電機)もそのひとつでありました。
結果は、社員数300名程度の規模で46名採用。対して応募者1680名!
まさに買い手市場。採用するキーエンス側は、優秀な人材確保の機会が訪れます。

営業所でお世話になった凄腕の上司も、フト『これまで何人も部下をもった経験があるが、新卒入社組は、ひと味違う。
さすが滝崎さん(創業者)が、面接でしっかり選んでるだけのことはある』と感心されていた記憶があります。
新卒同期入社組は、もちろんバラツキがありますが、
地頭がいい、論理思考での会話ができる、ビジネス本読書に長けている等々、
創業者が日頃求めていた正社員像の『考えて行動する』『ルーチン以上の創造性のある業務を行う』に素養がある人物揃い。

また、就活で相当苦労していたので、ほぼ全員が会社、特に創業者への考えに対して
ロイヤリティ(忠誠度)が高いのは、肌で感じていました。
世間一般では後のバブル時代に、訪問さえすれば即時内定という環境下で、不幸にもごく一部に出現した、
会社・社会をなめて入社した世代・・・令和時代の現在もなお、会社のお荷物になる輩などとは、真逆でした。

周囲も感心するというか、特に不思議に思ったのが、
超大手・超有名上場企業の内定を辞退してキーエンスを選んだ者。
大手総合商社でも、あっさり内定がでる関東の超難関私立大学出身なのに、
知名度無し・非上場・本社大阪・中小企業のキーエンスを選んだ者がいました。

そして、入社初日の行動指針の筆記テスト、全員が一字一句間違えず満点。
一方で、一年上の新卒の先輩方も、営業部門で成果を上げる・・・

こういう良い結果に対して納得された創業者は、さらに新卒採用シフトを加速させようと、
待遇面で配慮していたのだと思います。

現在は、全の国公立大学出身者が集う会社となりましたが、入社同期に国公立大学卒はゼロ。
関西の企業では、応募があれば一流企業といわれた、そこそこ難関の私立大四校出身者が主体・・・私もそうです。

特筆は、上記の関東の超難関私立大学出身者。
そして、新卒シフトとともに【超一流大学の出身者】の採用を実現する、ある秘密の仕掛け
当時あったのです。私はもちろん、おそらく同期入社の者も知らなかったその事実を、最近知り驚きました。
背景には、創業者のある強い信念があったと思います。

そのあたりは次回以降に。